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物が二重に見える症状について
物が二重に見える症状は、目の疲れや乱視など比較的身近な原因でも起こりますが、目や脳の病気が関与している場合もあり、注意が必要です。医学的には「複視(ふくし)」と呼ばれ、原因の見極めが重要な症状の一つです。
複視は、大きく次の2種類に分けられます。一つは、片方の目だけで見ても二重に見える「単眼複視」です。これは、近視・遠視・乱視などの屈折異常や、白内障など水晶体の濁りが原因となることが多く、眼科的な治療や矯正によって改善が期待できます。
もう一つは、両目で見たときにのみ二重に見える「両眼複視」です。これは、左右の目の動きがうまく連動しなくなることで生じ、眼球を動かす筋肉や神経の異常、視神経の障害などが関係します。突然発症した場合には、脳神経の病気や脳卒中など、重篤な疾患が原因となっている可能性もあります。
特に、物が二重に見える症状に加えて、強い頭痛、めまい、手足のしびれ、呂律が回らないといった症状を伴う場合は緊急性が高く、速やかに救急対応が可能な医療機関を受診することが重要です。脳外科や神経内科で大きな異常が見つからなかった場合でも、眼の病気が原因となっていることは少なくありません。
複視に気づいた際には、自己判断せず、早めに眼科での診察を受けることをお勧めします。
片目を隠すと正常に見える場合
両目で見ると二重に見えるにもかかわらず、片目を隠すと正常に見えるという症状が突然出現した場合、脳疾患が原因である可能性もあります。そのため、迅速に救急対応可能な医療機関での受診が求められます。
物が二重に見える原因
白内障

白内障は、目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が混濁することで、物が二重に見える・視界がぼやける・かすむ・眩しく感じるといった症状を引き起こす病気です。
病状は緩やかに進行し、やがて日常生活に支障をきたすようになるため、一定以上進行した場合には手術による治療が必要となります。現在では身体への負担が少ない日帰り手術が広く行われており、日本国内では年間およそ150万人がこの手術を受けています。
白内障を放置すると、炎症や急性緑内障発作を引き起こし、視力に回復困難な障害を残す可能性があるため、初期段階でも早めの眼科受診が望まれます。
眼精疲労
眼精疲労は、目を酷使したことによる単なる疲れとは異なり、十分な休息や睡眠を取っても症状が改善されない状態を指します。
主な症状には、目のかすみやぼやけ、焦点の合いにくさ、複視、眩しさの増強などがあり、放置すると頭痛、肩こり、めまい、吐き気、手足の痺れ、倦怠感などの全身症状を引き起こすこともあります。治療には、点眼薬や内服薬の使用に加えて、生活習慣の見直しや作業環境の調整が不可欠です。
当院では、患者様の生活背景を踏まえた具体的な改善策をご提案しています。
乱視
乱視は、角膜の表面が球面状でなく不規則に歪んでいることで、光が網膜上で1点に結ばれず、ピントが合いにくくなる屈折異常です。このため、物が二重に見えたり、像がにじんで見えたりすることがあります。乱視が強い場合には、物の輪郭が歪んだように感じられることもあります。特に注意が必要なのは、小児期に乱視がある場合で、視力の発達が妨げられると弱視に繋がる恐れがあります。
弱視になると、矯正しても十分な視力が得られなくなる可能性があるため、早期の検査と対応が重要です。
老眼(老視)
老眼は、近くの物にピントが合いにくくなる状態で、加齢に伴って水晶体の弾力性が低下し、ピント調節に関与する毛様体筋の働きが衰えることによって発症します。「老眼」という名称から高齢者特有の症状と思われがちですが、実際には20代から調節力の低下が始まり、40歳を過ぎると読書や細かい作業がしづらくなるなどの自覚症状が出てくることが一般的です。
現代社会ではスマートフォンやパソコンなど、近距離に視線を集中させる作業が多いため、老眼によって目の負担が増し、眼精疲労が悪化する傾向も見られます。手元の物が見えにくい、目がすぐ疲れるといった症状がある場合は、老眼の可能性を疑い、眼科で適切な矯正を受けることが必要です。
物が二重に見える症状
に関するよくある質問
物が二重に見えるときに、自分でできるチェック方法はありますか?
まずは片目ずつで物を見て、どちらかの目だけで見たときにも二重に見えるかどうかを確認することで、ある程度の見当をつけることができます。片目だけで見ても物が二重に見える場合は「単眼複視」、両目で見たときだけ二重になる場合は「両眼複視」が疑われます。ただし、こうしたセルフチェックには限界があるため、違和感を覚えた時点で専門の医師による診察を受けることが大切です。
突然物が二重に見えるようになった場合、一時的だったり片目だけでも、すぐに病院へ行くべきでしょうか?
突然物が二重に見えるようになった場合は、たとえ症状が一時的であっても、あるいは片目だけの症状であっても、できるだけ早く医療機関を受診する必要があります。目の異常だけでなく、脳に関わる疾患の初期症状の可能性もあります。
物が二重に見えるのは、脳の病気が関係していることがありますか?
目の構造や機能に起因することもありますが、脳の異常が関係しているケースも少なくありません。特に、眼球の動きを調節する脳内の神経領域に障害が生じると、二重に見える現象が起こります。脳卒中、脳腫瘍、あるいは脳の血流障害などがその原因となることがあるため、こうした症状が見られた場合には、速やかに医療機関で検査を受けることが必要です。
物が二重に見える場合、どの診療科を受診すべきですか?
まずは眼科を受診しましょう。眼科的に問題が認められない、または神経系に関係する兆候が見られる場合には、必要に応じて神経内科や脳外科など、専門の診療科へ紹介される流れとなります。
物が二重に見える症状は、自然に改善することがありますか?
二重に見える症状が自然に改善することもありますが、その可否は原因によって大きく異なります。治療が必要な疾患が背景にある可能性もあるため、自己判断で放置せず、早めに眼科で原因を確認することが大切です。
物が二重に見えるのは、老化によるものでしょうか?
加齢に伴う視機能の変化は、複視の一因となることがあります。具体的には、水晶体のピント調節機能の低下や、眼球を動かす筋肉の働きが衰えることなどが影響し、見え方にズレが生じることがあります。ただし、加齢だけが原因ではなく、神経系や目の病気が関係しているケースも多く見られるため、きちんと眼科で診断を受けることが重要です。