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硝子体注射

目次


硝子体注射による
抗VEGF薬治療について

硝子体注射による抗VEGF薬治療について網膜の血流が低下すると、血管から成分が漏れ出したり、黄斑にむくみ(黄斑浮腫)が生じることがあります。さらに、異常な新生血管が形成されることで、視力低下や重い網膜疾患を引き起こすことがあります。これらの変化には、VEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれる物質が関与していると考えられています。

抗VEGF薬治療は、このVEGFの働きを抑えることで、血管からの漏出や新生血管の形成を防ぎ、病気の進行を抑える治療法です。治療は硝子体注射によって行い、薬剤を直接目の中に投与することで、効果的な治療が期待されます。

当院では、臨床実績と安全性が確立されている抗VEGF薬を使用し、患者さまの病状に応じた適切な治療を行っています。


抗VEGF薬治療が有効な主な疾患

現在、日本国内で抗VEGF薬による治療が承認されている疾患には、以下のようなものがあります。

  • 加齢黄斑変性症
  • 糖尿病網膜症(特に糖尿病黄斑浮腫)
  • 網膜静脈閉塞症
  • 強度近視(病的近視)に伴う黄斑疾患

これらの疾患の一部は、日本人における失明原因としても上位を占めています。具体的には、1位:緑内障、2位:糖尿病網膜症、3位:網膜色素変性症、4位:加齢黄斑変性症、5位:強度近視の順で報告されており、抗VEGF薬治療は視力低下を防ぐ重要な選択肢の1つとなっています。
 

加齢黄斑変性症

加齢黄斑変性症網膜の中心部にある黄斑は、文字を読む、顔を識別するなど、視力のほとんどを担う重要な部位です。

加齢黄斑変性症は、この黄斑に障害が生じる病気で、進行すると視力低下や視野の中心が見えにくくなる原因となります。

日本では高齢化に伴い患者数が増加しており、特に日本人では脈絡膜から異常な新生血管が発生するタイプが多いとされています。

主な症状

  • 視力低下
  • 物が歪んで見える
  • 視界の中心が暗くなる
  • コントラストが低下する

主な治療

加齢黄斑変性症には萎縮型と滲出型があります。 萎縮型に対しては、近年補体阻害薬による硝子体注射が認可されております。
滲出型に対しては、抗VEGF薬による硝子体注射が標準治療とされています。

糖尿病網膜症(糖尿病黄斑浮腫)

糖尿病には様々な合併症があり、そのなかでも失明のリスクを伴う重篤な眼の合併症が「糖尿病網膜症」と「糖尿病黄斑浮腫」です。これらは、糖尿病腎症や糖尿病神経障害と並んで3大合併症の1つに数えられます。

高血糖の状態が長期間続くと、体内の細い血管(毛細血管)が損傷を受けやすくなります。特に、微細な血管が密集する網膜はダメージを受けやすい部位であり、血流障害によって次のような異常が引き起こされます。

主な症状

  • 視力低下
  • 物が歪んで見える
  • 視界がかすむ

※初期には自覚症状が乏しいため、定期的な眼科検診が重要です。

主な治療

血糖コントロールに加え、
・抗VEGF薬治療
・レーザー治療
が行われます。 出血や網膜剥離を伴う場合には硝子体手術が必要となることもあります。

網膜静脈閉塞症

網膜の静脈が血栓などで詰まり、血液成分が漏れ出すことで浮腫や出血を起こす疾患です。
高血圧や動脈硬化が主な原因とされ、40歳以降に発症リスクが高まります。

主な症状

  • 急な視力低下
  • 歪んで見える
  • 視界がぼやける

主な治療

症状の程度に応じて、
・抗VEGF薬治療
・レーザー治療
を行います。改善が乏しい場合には硝子体手術を検討します。

強度近視(病的近視)

眼球が大きく伸びることで、網膜や黄斑に慢性的な負担がかかる状態です。
進行すると脈絡膜新生血管や網膜剥離を引き起こすことがあります。

主な症状

  • 視力低下
  • 歪んで見える
  • 中心が暗く見える
  • 飛蚊症

主な治療

経過観察を基本とし、
・脈絡膜新生血管には抗VEGF薬治療
・網膜剥離などには硝子体手術
を行います。


抗VEGF薬治療の費用と
治療スケジュール

費用

抗VEGF薬治療は保険診療の対象です。
3割負担で1回約55,000円となり、高額療養費制度が適用されます。

治療スケジュール
  • 初期は月1回の注射
  • その後は検査結果に応じて追加治療